川崎重工業 ニッケル水素電池「ギガセル」 省エネ効果大、利用用途も多彩 (1/2ページ)

2010.3.22 05:00

札幌市で実験した「SWIMO」の車両

札幌市で実験した「SWIMO」の車両【拡大】

 より環境にやさしい路面電車が実現間近だ。川崎重工業は大容量蓄電池だけでも駆動する低床式の路面電車「SWIMO」を開発、すでに札幌市で実証実験も行った。架線がない広場などでも5分の充電で10キロメートル以上走行でき、減速時に発生するエネルギーを有効利用することで従来の路面電車に比べ使用電力を3割削減できる。それを実現したのが、同社が送電線網安定化のために開発した高速充放電が可能な大容量ニッケル水素電池「ギガセル」だ。ギガセルは車両向けだけでなく、多様な用途が期待されている。

 ◆板状単セルで大容量化

 充電できるニッケル水素電池は、三洋電機が2005年に発売した携帯機器向けの「エネループ」のような円筒型が主流。ただ、円筒型だと電池性能を劣化させる熱への対策が難しく、充放電の大容量化には限界があった。

 川崎重工は、正極板と負極板を折り重ねるような形で、板状の単セル(電池の一単位)を開発。この単セル同士の間に放熱板を挟み、そこに冷却ファンで空気を送り、大容量化の際の最大の弱点だった放熱の問題を解消したギガセルを開発。長さも最大で1287ミリにとどまり、路面電車の座席下にすっぽりと収まるサイズにできた。

 ギガセルは、瞬間的に発生した大容量の電力を一気に充電し、必要な時に大規模に放電できる。このため、風力や太陽光発電など不安定な電力を蓄電し、必要なときに放電して安定化させる系統安定用だけでなく、輸送機器などでは回生ブレーキで生じるエネルギーを蓄電できるようになった。

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