【新興国に翔ける】工夫と熱意で中国人観光客誘致 (1/2ページ)

2010.3.23 05:00

 □ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ代表取締役兼CEO 森辺一樹

 日本を訪れた中国人観光客が初めて100万人を超えたのは2008年のことだ。そして09年7月、日本政府は、訪日中国人観光客へのFIT(Free Indivisual Travel)個人旅行ビザの発給を高所得者への条件付きで開始した。今まで、中国人の日本への観光は、団体旅行のみ認められていた。しかし09年7月、北京、上海、広州の3地域からの個人旅行が限定して始まった。今後、順次中国全土に拡大される予定だ。

 背景には、中国のすさまじい経済成長と、日本の人口減少の問題がある。日本政府は、16年までに訪日外国人観光客を2000万人まで増やすことを目的とした「ビジット・キャンペーン」を展開している。その内、約600万人が中国人になる予定だ。

 今まで、訪日外国人観光客のトップは韓国人だが、07年の260万人から年々低下しており、08年に238万人、09年はさらに数十万人のダウン。一方、世界的な経済危機やインフルエンザ、更には円高などのマイナス要因が多かったにもかかわらず、09年の訪日中国人観光客はさらなる伸びを見せた。

 これから日本の観光産業は、中国人が大きな支えとなることは間違いない。中国人観光客の平均消費額は、他国の観光客と比較しても断然トップの17万円である。100万人で計算すると、1700億円ものお金を日本に落してくれるわけだ。これが、16年、600万人となれば、1兆円を超える経済効果だ。

 今、世界中が中国人観光客の争奪戦に力を入れている。隣国日本は負けるわけにはいかない。08年度、海外へ出国した中国人は約4700万人。しかし、隣国だというのに、たったの100万人しか日本へ来ていない。ではどこへ行っているのか? 香港である。

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