2010.4.8 18:38
クレジットカード会社のビジネスモデルが、大きな転換期を迎えている。各社とも、多数の顧客や会員を擁するさまざまな業種の企業と提携して会員数を拡大してきたが、ここにきて提携見直しや廃止が相次いでいるのだ。会員数(=カード発行枚数)がいたずらに増えても実際の利用率は低いままで、手数料収入よりも会員維持のコスト負担のほうが重くなる状態なのだという。
クレジットカード準大手のソニーファイナンスは昨年11月、16ある提携カードのうち、ヨドバシカメラGOLDPOINTカードを除く15カードを今春までに廃止すると発表した。廃止対象となる大手ファッションビルの提携カードを持っていた女性会社員は次のように言う。
「年会費は無料で、提携先のわずか月数百円の会費が自動引き落としできるので入会していましたが、それ以外に使ったことはありません。私のような“非優良会員”にまで明細書を毎月発行したりシステムを維持していたら赤字になるのも無理はないですね」
JCBもここ5年で、約500あった提携カードを300程度まで削減。三菱UFJニコスも同じ傾向という。『クレジットカードまるごと活用術』の著者でジャーナリストの岩田昭男氏はこう語る。
「カード会社は提携先に1枚あたり500-1000円程度のキックバックを支払って会員を獲得してきましたが、その最大の原資はキャッシングの利息です。しかし、改正貸金業法の施行により利息が10%近く下がったため、利用頻度が少ない提携カード会員のコストまで負担できなくなった。そもそもカード業界は、2007年度の3億枚をピークに飽和状態が続き、不況もあって1枚あたりの利用額は激減しています。手数料収入は大きく目減りしているのです」
さらに最近は、どのカードもポイント制を導入し、利用者は公共料金支払いや買い物などを1枚のカードに集約する傾向が顕著だ。そのため、「ユーザーが予備用に“降格”させたカードからは、コストに見合うだけの収入を得られない」(岩田氏)という。