2010.5.11 05:00
□ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ代表取締役兼CEO 森辺一樹
「日本の常識は世界の常識ではない」
多くの人がこの言葉を口にするが、マーケティング戦略のうえで、理解している日本企業が少ないように思える。新興国市場の攻略に向けては、日本企業の思考の切り替えこそ最も求められることだろう。
◆異文化への強い抵抗
日本という市場は非常に特殊である。文化、習慣、情報、そしてそこから生まれる同一の価値観を共有し合っている国家は世界中探しても少ないはず。日本も地域によってさまざまな違いはあるが、その程度は世界レベルで見れば違いとは言わない。
ただ、世界では文化や宗教が異なり、価値観を共有し合えないことが普通だ。日本企業はこの違いの理解度が浅く、新興国での市場獲得に苦労をしている。
日本は基本的に所得格差が少なく、衣食住は全国共通であり、都市の整備や各種インフラに関しても、中国内陸部のように著しく遅れているような場所はない。国民の共通意識に大きな影響を与えるメディアも、テレビ、新聞などで、全国同じ情報を得られるインフラが整っている。
日本人ならではの言わずとも理解し合える独特の感覚があるが、それゆえに異文化への抵抗が強い。これが足かせになっているのだ。