【企業リスク 時々刻々】戦略予防法務 UBIC社長・守本正宏 (1/3ページ)

2010.6.24 05:00

中国にあるホンダ系の部品工場で、賃上げを要求してストライキする従業員。人件費高騰リスクへの備えが必要だ(ブルームバーグ)

中国にあるホンダ系の部品工場で、賃上げを要求してストライキする従業員。人件費高騰リスクへの備えが必要だ(ブルームバーグ)【拡大】

 ■適切な証拠開示 海外進出に必須

 高齢化社会の進展などであらゆる国内産業が飽和状態にある中、企業の持続的な成長に欠かせないのが新興国市場を中心とする積極的な海外市場での成長戦略だ。自動車メーカーでは、中国での現地生産を増やし、同国での旺盛な需要に対応しようと懸命だ。

 ただ、「中国は一夜で政策変更が行われる」(複数のメーカー幹部)との声が上がるなど、政治的に未熟な新興国にありがちな法的リスクも抱えている。実際、ホンダは中国国内の部品工場のストライキの影響を受け、完成車工場が2度にわたって操業停止に追い込まれたが、問題の底流には中国政府の「所得倍増計画」の実施があるとされる。

 それほどでなくとも、海外進出には、特許侵害、産業スパイなどの法的リスクが常につきまとい、事前の危機管理が不可欠だ。

                   ◇

 企業にとって継続的な成長は重要な使命であり、そのためには海外展開、M&A(企業の合併・買収)、新製品の開発、価格戦略などの施策を適切に実行しなければならない。そして、それに伴う法的リスクへの備えも必要だ。

 日本社会に衝撃を与えたトヨタ自動車の品質問題では、同社が米国政府から制裁金を課せられ、民事訴訟にも発展した。昨年成立したパナソニックと三洋電機の統合では、各国の競争法対応により実行の時期が大幅に遅れる影響が出た。

 それら以外では、特許侵害訴訟、価格カルテル調査、インサイダー取引、産業スパイ、不正会計、情報漏洩(ろうえい)などの法的リスクは企業活動において必ずつきまとい、企業の成長を阻害する重大な要因になりうる。

注目サイト