【日経のよみ方】個人向け無担保ローン事業強化 (1/2ページ)

2010.7.27 05:00

 ■踏み込みが足りない銀行調査

 今年6月に完全施行された改正貸金業法を機に、銀行が個人向け無担保ローン事業を強化しているとの記事が20日朝刊5面に掲載された。日経が独自に全国の主要銀行約110行を対象に調査した結果を分析した記事で、「約6割の銀行が融資上限の引き上げや審査期間の短縮など商品の拡充を実施・計画している」という。

 だが、記事はカードローンと銀行が使い道を指定しないフリーローンのそれぞれについて、商品性の見直しを検討しているかどうかを尋ねた結果を詳報しているだけで、深掘りが足らない。そもそも調査自体の意義が伝わってこないのが残念だ。

 問題点を上げれば、まず記事の中で「銀行の個人向けローン市場は現在の4兆円から7兆円まで増える」との三菱東京UFJ銀行幹部の談話を紹介しているが、その根拠が明確に示されていない。

 改正貸金業法の完全施行で個人の借入総額が年収の3分の1以下に制限された。これによって、消費者金融の利用者の半数にあたる約600万人が新たな借り入れをできなくなると指摘されている。大半の貸金業者はすでに改正法の完全施行前から融資の抑制に動いていたが、銀行はこうした新規借り入れが難しくなった個人を新たな顧客として開拓しようとしているのだろうか。

注目サイト