2010.7.28 05:00
トヨタ自動車が運営する安全運転講習の専用施設「モビリタ」=静岡県小山町【拡大】
「日本人は(バックミラーで)後ろを見るのが下手。欧州のドライバーは3秒に1回、見ているといいます」
トヨタ自動車が静岡県のサーキット「富士スピードウェイ」内に設置している交通安全センター「モビリタ」。チーフインストラクターの神野利夫さんは、丁寧な言葉遣いで運転の心得を説く。神野さんは、トヨタのテストドライバーの検定員を教育している社内でも屈指のドライバーだ。
安全講習に年5000人
モビリタでは、トヨタが長年培ってきた運転のノウハウを応用し、安全運転講習を行っている。車で顧客を回る営業マンを抱える会社や個人が参加。年間約5000人が講習を受けるという。今年4月には安全のほかに、低燃費運転も学ぶことができる「エコドライブ&セーフティ講習」も始めた。
参加者は実際に教習車に乗り込み、急ブレーキの体験などで車の挙動を学ぶ。路面との摩擦が小さく、滑りやすい「低ミュー路」では、教習車に付いているVSC(トヨタの車両挙動安定装置)のスイッチを切り、スピンを体験することもできる。神野さんは「運転は認知、判断、操作の繰り返し。いろいろな体験をすることで余裕が生まれます」と強調する。
トヨタがドライバーの安全運転講習に力を入れるのは、「交通事故死傷者ゼロ社会の実現には、人・クルマ・交通環境の『三位一体』の取り組みが必要」という基本的な考えがあるからだ。当然、自動車メーカーとしての“本分”である車両の安全技術についても日々、研究開発を進めている。
その柱の一つが、2003年に導入した「プリクラッシュセーフティシステム」だ。事故の可能性が高まったときに自動的にブレーキをかけることなどで、被害を回避・軽減する。車の“目”となるのは、車両から出る「ミリ波レーダー」で、進路上の車両や障害物を素早く検知する。