2010.7.29 05:00
--北米市場を中心に携帯電話向けゲームソフト配信事業を手がけている
「親会社のカプコンは北米でも家庭用ゲーム機向けソフトで多くのファンを持っているが、当社はあまり熱心にゲームをやらない“ライトユーザー”の開拓に力を入れている。そのため、提供ソフトも過去にカプコンが家庭用ゲーム機に投入したものの移植ではなく、人気テレビ番組や映画をベースとしたオリジナルソフトといった家族層を狙ったラインアップにしている。欧米でもスマートフォン(高機能携帯電話)の普及で携帯電話向けゲームソフト配信は利用者数を伸ばしており、とりわけ米アップルの『iPhone(アイフォーン)』は活況だ。アップルが4月に発売した多機能情報端末『iPad(アイパッド)』もライトユーザーのゲーム利用が見込まれ、専用ゲームの投入も考えていきたい」
--携帯電話向けはソフト単価の安さがネックだ
「1ドルを超えると一気にダウンロード件数が落ちるなど、確かに低価格圧力は厳しいものがある。そういったことから、無料で利用者を増やし、その後に課金をして元を取るといった工夫が欠かせない。クイズゲームでは新たな質問を有料でダウンロードするなど、長く遊んでもらうための仕組み作りが重要だ。また、携帯電話向けソフトは『一物一価』ではなく価格設定が自由にできるので、最も効果的な値段を探る努力も必要だ」
--今後の成長が期待できるゲームジャンルは
「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した交流機能を持つ『ソーシャルゲーム』だ。北米では2009年に市場として立ち上がったが、今後も拡大の一途をたどるのは間違いなく、当社も今秋をめどにソーシャルゲーム4作品を初投入する計画だ。ただ、米EA(エレクトロニック・アーツ)など大手ソフト会社の参入が進むなど競争環境は一気に激化している。ゲームの数も飽和に向かっており、1年半後をめどに淘汰(とうた)の動きが進むとみている。その中で埋没しないように利用者数を拡大させ、生き残りが可能な市場ポジションを確保することに全力を注ぐ」
--携帯電話向けのソーシャルゲームは既存の家庭用ゲーム機の市場を圧迫することになるのか
「携帯電話向けに飛びついているのは、従来ほとんどゲームをやっていなかった人が多く、家庭用ゲーム機との競合はほとんどないから、ゲーム市場のすそ野を広げているという側面が強い。ただ、家庭用ゲーム機でもカプコンの人気ソフト『モンスターハンター』は通信機能を使って友人と一緒に遊べることがヒット要因となるなど、家庭用でも交流機能をいかに取り込めるかがヒットの鍵になるとみている」(三塚聖平)
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【プロフィル】湯浅緑
ゆあさ・みどり 東京外大卒。1991年ソニー入社。ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントで携帯電話向けゲーム事業のエグゼクティブ・ディレクターなどを経て、2005年カプコン入社。06年から現職。京都府出身