2010.7.30 05:00
富士通の主力携帯電話「らくらくホン」【拡大】
富士通は29日、東芝と携帯電話端末事業を経営統合することで正式契約した、と発表した。10月1日に東芝が携帯電話端末事業を分離して新会社を設立し、富士通が8割を出資して連結子会社化する。国内シェア3位の富士通と同8位の東芝とが統合することで同2位に躍り出る。統合後はスマートフォン(高機能携帯電話)の投入などで国内市場を底固めした上で、今後の成長が見込まれる海外市場への進出を本格化させる。
新会社の出資比率は、富士通が80.1%、東芝が19.9%。東芝から富士通グループに約400人が移るが、新会社の社員数は約270人となる。社長など経営幹部は富士通側から派遣する見通し。社名や資本金など詳細は9月末までに発表する。富士通がNTTドコモ向けに手がけている携帯電話端末事業は、これまで通り富士通本体で行う。
富士通の加藤和彦執行役員専務は同日の会見で「まずは国内市場を固めることに専念する。その足腰ができないで海外に行くとやけどする」との考えを示した。加藤氏は「スマートフォンの開発など経営効率化を考えることは重要」と指摘し、将来的には新会社を富士通本体に吸収する可能性も示唆した。
富士通は、シニア層に人気の「らくらくホン」などの端末をドコモ向けだけに供給してきたが、KDDI(au)向けが主力の東芝の事業を取り込むことで供給先拡大を狙う。ただ、東芝の事業を別会社化する統合方式については、「心も体も一体なっている」(加藤氏)とドコモへの配慮を隠さない。今後、こういったしがらみを整理して、いかに経営効率化を図れるかが課題となる。