その男子学生は、アルバイトの経験を自分の言葉ではきはきと話した。エピソードそのものはどこにでもありそうな小さなこと。だがマニュアル本を読み過ぎて、暗記してきたことを棒読みしてしまう学生が多い中、とても魅力的に見えたという。最終的に内定が決まり、今は入社を心待ちにしている。
「生命保険は目に見えない商品。だからこそコミュニケーション能力を重視している」。明治安田生命の中敏彦・人事部人事グループマネジャーは面接を振り返りつつ、そう強調した。
採用試験では、エントリーシートや筆記試験に加え、5回の面接を実施。学生の人となりをできるだけ立体的にとらえようとする。わざと意地悪な質問をして対応をみる圧迫面接ではなく、「リラックスしてください」と断った後、学生時代のエピソードや学業の様子を引き出すという。面接終了後には「次の面接では、こう改善した方がいいよ」とアドバイスが付け加えられることもある。
学生側に同社の実情を伝えることも重視している。「ミスマッチはお互いに不幸」と中さん。1、2次面接では、10年目までの若手社員が会社を説明し、生保業界や仕事内容について理解を深めてもらう。
リラックスした雰囲気に面接後のアドバイス、ホームページには就活支援のコーナーまで設けた。就活生向けパンフレットも人材育成方針や先輩の一日を掲載するなど充実した内容。学生側に配慮し過ぎのような気もするが、それには理由がある。