ウイルスセキュリティ大手のマカフィーは、2011年版の一般ユーザー向けセキュリティ製品3種を9月3日から発売する。同社の製品の中では史上もっとも速く軽量な新製品だという。(夕刊フジ)
日本の一般ユーザー向け市場におけるマカフィーのシェアは高くはないが、米国では「フォーチュン100」(米誌フォーチュンが発表する全米トップ100社)の94%で導入されているという信頼ある企業だ。日本でも、政府機関や教育機関、企業などが製品を導入している。先月19日には、パソコン用CPU最大手のインテルが6550億円で同社の買収を発表した。
今回発売される新製品は、機能別に3種類。1年の利用期間で3台のパソコンにインストールできる「マカフィー トータルプロテクション2011」(6980円)と、一部機能を割愛した割安の「マカフィー インターネットセキュリティ2011」(5775円)、ウイルス・スパイウエア対策機能に特化した「マカフィー アンチウイルスプラス2011」(4095円)だ。
このうち、トータルプロテクションは2GB、インターネットセキュリティは1GB分のデータをクラウド上のサーバーに自動的にバックアップする機能付き。万が一、パソコンがウイルスに感染して端末内のデータが消えてしまってもクラウド上には残るという「お守り機能」だ。
同社のコンシューマ/モバイル/スモールビジネス担当エグセクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのトッド・ゲフハート氏は製品発表の席上、「SNSなどの普及で、守るべき情報量は増え続けています。セキュリティソフトは今後、パソコンだけでなく新しいモバイルデバイスやネット接続するテレビ、ATMや自動車にも組み込まれていくでしょう」と語った。そのうえで、現在は守るべきデバイス数は全世界で10億台程度だが、今後は500億台に達するだろうと予測した。
実際、コンピューターウイルスは増加の一途だ。同社によると、現在、全世界で1日あたり約5万5000個の不正プログラムが登場し、今年上半期には1000万個が確認されたという。平均すると約1・7秒に1個の新種ウイルスが発生している計算だ。
新しいウイルスに対応するために、セキュリティソフトは15分-24時間の間隔で、新しいウイルス定義ファイルをパソコンなどの端末上にダウンロードする“更新”作業を行っている。だが、最短の15分間でも約530もの新種が発生していることになるわけだ。したがって、「従来の定義ファイルの方法では防ぎきれない」(マーケティング本部プロダクトマーケティングマネージャー・葛原卓造氏)。
そこでマカフィーは、不正プログラムの情報を端末側に置くのではなく、ネット上に置いておくクラウドベースの方法を採択した。実は同社は、2006年にグーグルのエリック・シュミットCEOが「クラウド」という言葉を提唱する以前の1999年からクラウドベースのサービスを提供している。その“先見の明”がここにきて生かされている格好だ。(松本佳代子)