西武信用金庫(東京都中野区)は、M&A(企業の合併・買収)や事業承継の専門会社ストライク(東京都千代田区)と共同で、事業承継の課題を抱える中小企業の支援を行い、M&Aを成立させた。
具体的には、金融サービス業で食品事業強化を目指すマーチャント・バンカーズ(東京都千代田区)が、後継者不在が課題となっていた食品製造機械メーカーの旭工業(東京都青梅市)を8月10日付で買収した。
旭工業は、全自動リフト式蒸気熱殺菌冷却装置を主力製品とする中堅メーカーで、国内食品メーカーを主な顧客に安定した売り上げを確保してきた。ただ、創業者が勇退することになり、事業の存続や従業員の雇用、将来の発展のためにM&Aを希望していた。
一方、マーチャント・バンカーズは、今年度から新事業として「食」をキーワードとした中長期成長戦略を定め、特に、中国をはじめ東南アジア地域との取引に強みをもっていることから、「海外企業への販売展開が可能な独自製品を保有する企業」との資本・業務提携を模索していた。今回のM&Aで、マーチャント・バンカーズは、旭工業の株式と全従業員を引き受け、今後、「食」関連事業を強化していく。
西武信金は、中小企業の事業承継問題を解決するため、専門家の協力を得て積極的な支援を実施している。2008年には、事業承継支援体制強化を目的に「西武事業承継支援センター」を設置。自社株評価や株主対策、相続税額の試算、M&A支援など数多くの支援策を用意している。相談は10年度で130件に上り、年々増加している。