三菱商事と大同特殊鋼、米資源会社のモリコープは29日、電気自動車(EV)などに使う高性能磁石「ネオジム焼結磁石」の製造・販売会社を、年内にも岐阜県中津川市に設立すると発表した。総事業費は約100億円で、2013年1月にも操業を開始。レアアース(希土類)の使用量を最大50%削減できる新製法を採用し、レアアースの中国依存からの脱却も図る。
新会社の資本金は42億円。大同が35.5%、三菱商事が34.5%、モリコープが30%を出資する。新工場は中津川市にある大同の工場敷地内に建設し、年間500トンを生産する態勢を早期に整え、エコカー向けの需要急増に対応する。経済産業省もレアアース総合対策補助金などで支援する方針だ。
ネオジム焼結磁石は、従来の磁石を上回る磁力と耐熱性を持つとともに、原料のネオジムやジスプロシウムといったレアアースの使用量が少ない。強力な永久磁石として、エコカーの駆動用モーターやエアコンのコンプレッサー、風力発電機のモーターなどに使われている。
ジスプロシウムはレアアースの中でも希少で、産地が中国に偏在する。新会社は、耐久性を高めるために使うジスプロシウムを大幅に減らせる新製法を導入して、輸出規制を進める中国にレアアースの供給を依存する現状の改善を目指す。
原料のレアアースは、モリコープが米国に保有する鉱山から調達する。製造コストの抑制にもつながる新製法は、ネオジム焼結磁石を発明した工学博士の佐川真人氏からライセンスを取得する。