--昨年は電子部品業界にとって厳しい1年だった
「やはり東日本大震災が痛かった。特に停電が事業活動に与えた影響は大きかった。こんなに(災害に)もろいとは、正直言って思わなかった。当社も東北に工場があり、部品生産に使う電気炉が一部止まった。1週間で生産回復のめどがついたが、4月7日の余震で東北が停電し、再び生産が止まった。ただ、それも5月までには完全回復した」
--震災以外にも超円高など逆風が吹いている
「円高も含め、経済全体に落ち込んだ雰囲気が漂っている。さらに、下期にかけて車載用部品の需要に回復の兆しが見え始めたところにタイの洪水が起こり、部品需要が再び減少した。中国を含む東アジアの経済も調子がよくない。電子部品業界の景況感はいいとは思えない。ただ、1~3月は洪水の回復需要に期待したい」
--ハードディスク駆動装置(HDD)業界の再編が進み、基幹部品で主力の磁気ヘッド事業にも影響が出ると予想される
「HDDメーカーが今の5社から3社になれば、それぞれのシェアが拮抗(きっこう)し、当社が磁気ヘッドを供給しているメーカーのシェアが増える。それはTDKにとって良いことだ。一方で、HDDのライバルは何かを冷静にみなければならない。それは(半導体メモリーの)NAND型フラッシュメモリーやSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)だ。半導体メモリーは増えているが、(HDDを使う)ノートパソコンはなくならないし、これからはデータセンター向け記憶装置の需要が伸びる。HDDはあと5年は記憶媒体の主役であり続けるだろう」