■音楽教室の快適湿度 個人にも
空気の乾燥を防ぐ加湿器の市場に、楽器販売会社が新風を吹き込み続けている。宮地商会(東京都千代田区)だ。楽器を扱う室内環境を改善する目的で、水を注ぎ自然に蒸発させる加湿器を2007年に商品化し、個人の口コミで評判が広まった。累計販売実績は約10万台。今後、病院や老人ホームなどに広めたい考えだ。
「湿度が変化すると、楽器や音楽指導者の負担が増える。その問題を解決したかった」(馬場徹取締役経営企画室長)
楽器販売や音楽教室の運営などを手がける同社は、そんな思いで加湿器を開発した。
湿度に敏感な楽器の一つがピアノ。木や羊毛を加工した繊維などの素材で作られたピアノは、室内環境に反応して素材が自然に伸び縮みする。
この変化を繰り返すと、楽器の音を整える「調律」の精度が落ちてしまう。これを解消するためには、空気中の水蒸気量の比率を約50~60%に安定させることが必要だ。ピアノ教室の講師も湿度を意識する。気密性が高いレッスン室で乾燥が続くと、のどを痛める症状などが起きやすくなるからだ。
こうした問題を踏まえ、電気式加湿器を試したこともある。ただ、「シュー」という騒音が音を扱うレッスン室に不向きだった。加えて、電源の切り替えに伴う室内環境の急変なども問題視された。