【ニッポン経済図鑑】理研化学工業 筆ペンの穂先が伝える感情 (2/2ページ)

2012.2.6 05:00

 乾燥させた穂先は注文に応じて先端が削られる。注文数が多いものは機械で自動的に削るが、注文数が少ないものはベテラン従業員が手作業で1本ずつ削っていく。従業員の勤続年数は短くて2年、長くて32年の人も。「この人たちがいないと、うちはやっていけません」と大月さん。ベテランだと1日5000本以上の穂先を削るという。

 検査工程でも、勤続30年近いベテランが1本ずつルーペを使って長さや太さなどを確認し、注文先の要望に合わない物は容赦なく不良品に回していく。

 手を使って字を書く機会が減っている今、「筆ペンの需要は確実に減っている」という。だが、大月さんは「筆ペンで書いた文字には感情がこもる。この良さを多くの人に感じてもらいたい」と、力を込める。

 穂先の可能性を海外にも求めている。「水性だけでなく、油性筆ペンの穂先も作ってほしい」。得意先からの注文を受け、約25年前から油性筆ペンの穂先の開発に取り組んできた。昨年開発に成功し、米大手文具メーカーから画材用として100万本の発注が来ている。大月さんは「急ピッチで生産を進めないと間に合わないかもしれない」と、笑顔を見せた。(徐暎喜)

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【会社概要】理研化学工業

 大阪府枚方市春日西町2の25の28。1972年設立。枚方工業団地内にある本社に併設された2階建ての工場で、筆ペンなどの穂先ができるまでの製造工程を見学できる。見学希望の場合は、同社に事前予約((電)072・858・5771)が必要。