インホイールモーターも、電力の使用効率を高めた。さらに、上部車体に「モノコックスチールスペースフレーム」という新構造を採用したことで、シムレイよりも49キログラム軽い360キログラムに軽量化したことも大きい。
新構造は、鋼管内部に高圧を注入して、複雑な形状を一体成形できる。シムレイで採用したモノコックボディよりも軽量で剛性が高く、部品点数も削減できた。こうした多くの技術の積み上げで、ハードルを克服した」
--乗り心地や加速性能にもこだわったようだが
「ボディの大きさは排気量1300~1500ccクラスの乗用車と同じくらいだが、車室は高級セダンに匹敵するほど大きい。電池の置き場所などに左右されないコンポーネントビルトイン式フレームの良さを最大限に生かし、車室を可能な限り広くした。
また、インホイールモーターの構造などを見直し、シムレイで課題だったトルクリップル(初動時の回転ムラによる振動)を減少させるなどで、時速100キロ到達が5・4秒という中級レベルのスポーツカーに匹敵する加速性能も実現した」