「ツアー」vs「乗合」競争激化 国交省、高速貸し切りバス規制見直し

2012.4.4 05:00

 国土交通省の「バス事業あり方検討会」は3日、東京-大阪間などの長距離を貸し切り運行する「高速ツアーバス」の事業者に対し、2012~13年度中に運行計画や運賃について国に事前届け出が必要な「乗合バス」事業への移行を求めるなど、規制見直しの報告書をまとめた。

 旅行会社が企画する高速ツアーバスは「旅行商品」として道路運送法の適用外となり、同法の適用を受けて大手バス会社が運行する「高速乗合バス」との競争で不公平感が指摘されていた。国交省は、両者を同じ規制の下で運行させることで、利用者への利便性を向上させる。

 国交省は、需要が多い場合は継続便を増やせるほか、柔軟な運賃設定が可能となるなど規制緩和する方針で、「両者の競争が激しくなるのは確実」(大手バス会社)だ。

 これに対し、高速ツアーバス業界は、乗り心地の良さや付加価値の高いサービスで差別化を図る。業界最大手のウィラー・トラベルは今年3月から、一部座席の間隔を広げてゆったり座れるようにしたほか、座席の背面に映画や音楽などを楽しめるモニターを搭載した。

 また2月下旬から、東京メトロの乗り放題券をセットにした乗車券を販売し、観光客の囲い込みを狙う。

 オリオンツアーも今月3日から、東京スカイツリーの展望台入場券付きのツアーの募集を始め、「旅行会社ならではのサービスを増やしたい」(担当者)と意気込む。

 一方、高速乗合バスは、競争が激しい大都市間の長距離夜行便で伸び率が低迷している。現状では、大手バス会社に目立った対応策がなく、「インターネットによる販売強化」(同検討会)などが期待されている。