中国はかねて高速鉄道を重要輸出産業と位置付けており、海外進出に向けた戦略を着々と進めている。昨年、日本や米国も含む5カ国・地域で、高速鉄道技術の特許取得を狙って国際出願の手続きに着手するなど、強硬な姿勢も見せ始めている。バングラデシュで輸出実績を作ることが海外戦略上、有利だと判断したようだ。
他方、中国北車製の車両をめぐっては、昨年6月末に開業した北京-上海間の高速鉄道路線で最新型に多数の不具合が見つかり、中国鉄道省からリコール(無償の回収・修理)を命じられた。昨年7月の追突事故は中国南車製の車両だったが、事故原因の追究や再発防止にどこまで対策が取られたか不明確。“見切り発車”型の輸出といえる。(上海 河崎真澄)