--7月のレースに向けた準備は
「本当は、昨年のレースからの参戦を検討していた。しかし、参戦を表明しようかという直前に、東日本大震災が発生し、それどころではないということもあって、延期した。昨年のレースを観戦して、いろいろ調査もした。実際にレンタカーを借りて、コースを何度も試走している。現在は、レース車の完成を急いでいる」
--どういったマシンに仕上げるのか
「量販モデルの『i-MiEV(アイミーブ)』をベースにしている。ただ、レギュレーションで義務付けられているパイプフレームを装着したり、コーナリング性能を高めるため、車幅を広げたりしている。モーターは明電舎、電池はGSユアサと三菱自動車、三菱商事の合弁からと、アイミーブと同じものを使っている。量産型はモーターを1つ使った後輪の2輪駆動だが、レース車は3個のモーターを使って4輪駆動にする。前輪は左右のモーターの回転を変えることができるようにし、コーナーリング性能をアップさせた。難しい制御技術が必要になるが、今後の量産EVに応用できる」
--今年は、このレースにトヨタ自動車もEVで参戦する
「パイクスピークの総合部門で何度も優勝している田嶋伸博さんも、今年はEVに乗り換える。EVの代表的なレースになろうとしているので、今後も有力チームやドライバーが続々参戦してくるだろう。EVクラスでの優勝を目指すが、いきなり1年目でというのはどうかかなと思っている。やはりレースでは経験がものをいうので、会社には3年やらしてもらって、段階を踏んで優勝を目指していきたい」