家電不況、ガラス大手の業績波及 液晶、太陽電池用に打撃 (1/3ページ)

2012.5.8 05:00

 ガラス大手の業績が踊り場にさしかかっている。収益拡大を牽引(けんいん)してきた液晶用や太陽電池用ガラス事業の不振が響いているためで、家電大手の苦境が部材メーカーにも波及している形だ。さらに債務危機で景気が停滞する欧州の需要低迷も直撃している。各社ともリストラの加速、既存事業の体質強化などを打ち出すが、新たな収益源確保に向けて事業構造の変革を迫られている。

 まずはリストラ

 「当然、成長路線を目指すが、まずは今やっているリストラをきちんとやるのが大事」

 4月18日付で突然の社長交代を発表した日本板硝子。新任の吉川恵治社長兼最高経営責任者(CEO)は会見でこう強調し、辞任した米国人のクレイグ・ネイラー前社長兼CEOが2月に打ち出した全従業員の1割にあたる3500人の削減を柱とした収益改善策を迅速に実行する考えを示した。

 同社は売上高の約4割を占める欧州の建築用、自動車用ガラス事業が落ち込んだほか、成長を見込んでいた太陽電池用ガラスも振るわず、2012年3月期の連結最終損益は30億円前後の赤字の見込みだ。吉川社長は「成長ドライバーの太陽電池用ガラスがダメになったら、代わりに何があるのかを見直している」とも語り、次の戦略分野を模索する。

 同社の事業について、SMBC日興証券の岡芹弘幸シニアアナリストは「太陽電池用ガラスを除けば利益が減っていく事業はあまりなく、手の打ちようはある」と語る。10日に発表予定の12年3月期決算でリストラ策の拡大や具体的な収益改善策が打ち出せるかが焦点だ。

 一方、液晶用ガラス基板の価格下落が打撃となっているのが日本電気硝子と旭硝子だ。