スマホ・タブレット 情報端末も高齢者照準 携帯各社、機能充実 (2/4ページ)

2012.6.4 05:00

インターネットの年齢別利用状況

インターネットの年齢別利用状況【拡大】

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 「らくらくホンの加入数900万件の5%に当たる50万台が、2012年度中に売れる」(山田社長)と見込み、文字入力の手間が省ける「しゃべってコンシェル」も高齢者向けに使い勝手を今後向上させるという。

 KDDI、ソフトバンクモバイルも夏モデルでは、従来型の携帯電話で高齢者向けの機能充実を図り、シニア層の取り込みに本腰を入れ始めた。

 抵抗感消え急伸

 各社がシニア市場に期待を寄せるのは、仕事や趣味などでパソコンや携帯電話の使用経験がある60代、70代が増えつつあり、高齢者層がそのまま「デジタルデバイド(情報格差)層」ではなくなってきたからだ。

 総務省が5月30日に発表した「2011年通信利用動向調査」によると、11年末の年齢別のインターネット利用率は70代が42.6%で、09年より9.7ポイントも上昇。95%前後に達する20代と30代、40代は頭打ち状態なのに対し、70代の急伸ぶりが目立つ。60代も前半が2.3ポイント増の73.9%、後半が2.9ポイント増の60.9%といずれも増加。比率が低いだけに、高齢者層は伸びる余地が大きい「新興市場」の様相を呈している。

 個人消費全体における高齢者の比重が高まっていることも、各社がシニア層を重視し始めた大きな理由だ。