意見発信しない「ROM専」たち 高度情報化社会の「矛盾」 (3/4ページ)

2012.8.19 19:20

若者の「生きづらさ」をテーマに執筆活動を行っている渋井哲也さん(中央)=2012年6月25日(ジャーナリズム学生委員会提供)

若者の「生きづらさ」をテーマに執筆活動を行っている渋井哲也さん(中央)=2012年6月25日(ジャーナリズム学生委員会提供)【拡大】

  • 最優秀賞と会場賞をダブル受賞した早瀬翔さんのプレゼンテーション=2012年8月9日、東京都千代田区の日本プレスセンター(ジャーナリズム学生委員会撮影)

 情報発信への躊躇

 では若者はなぜ意見を発信しても意味がないと思うのだろうか。意見を発信しない理由として2番目に多かったのは、「意見を発信するほど知識がないから」というものだった。

 ネットを通じて容易に情報や知識を入手することができる環境にあり、多くの「ROM専」が存在しているのとは裏腹に、自分が知識足らずだと感じている若者が多いということがうかがえる。

 ジャーナリストの池上彰さんのニュース解説番組が人気を博しているのも、若者のこういった意識が背景にあるのではないだろうか。

 若者の政治への無関心が叫ばれるようになって久しいが、若者は決して無関心なのではなく、意見を発信するという行為に対する若者の躊躇(ちゅうちょ)が原因なのである。「高度情報化社会」という情報の入手・発信ともに容易な社会にありながら、それに取り残されていく若者の存在は、現代の情報社会における大きな“矛盾”である。

 情報を広く提供する既存のマスメディアも、そうした矛盾を解消する役割を果たせていない。SNSという新しい情報発信力を積極的に使い、私たち若者自身が「自主的」に社会に参加することも求められているのかもしれない。

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