日本企業の社員が中国に駐在するために必要な就労ビザ(査証)の発給手続きに遅れが生じている。日本政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化したことへの対抗措置とみられる。
日本の自動車メーカーなどは、反日デモで操業中止していた工場をようやく再開したばかり。ビザ発給が停止して社員が中国に赴任できない事態になれば、企業活動への影響が心配される。
1週間以上待たされ
台湾からの報道では、中国公演に必要な台湾のオーケストラの日本人楽団員のビザ発給が中国当局から拒否され、中国側が「日本に関する労働ビザ発給は全面的に無期限停止している」と通知していたことが分かった。
日本企業でも、大手商社で9月下旬、中国に赴任する駐在員へのビザの発給が一時遅れる事態が起きた。関係者によると、通常は日本人駐在員のビザ取得申請に対し、赴任を承認する中国当局の書類は数日で発行されていたが、1週間以上待たされたという。