KDDIとNEC、海底ケーブル敷設作業公開 東南アジアと高速通信

2012.11.20 05:00

沖に停泊する船(右奥)から光海底ケーブルを引き揚げる作業員=19日、千葉県南房総市

沖に停泊する船(右奥)から光海底ケーブルを引き揚げる作業員=19日、千葉県南房総市【拡大】

 KDDIとNECは19日、日本とシンガポールを結ぶ情報通信用の海底光ファイバーケーブル「サウスイーストアジア・ジャパン・ケーブル」(SJC)の敷設作業を千葉県南房総市で開始し、報道陣に公開した。総延長約9000キロで千葉から中国、フィリピンなどを経由し連結。2013年半ばに運用を始める。

 東南アジア向けの通信量増加に対応し、各国の通信事業者と共同で取り組む。総事業費は4億ドル(約320億円)。当初の通信速度は毎秒16テラビット(テラは1兆)で、映画のDVD250本分のデータを1秒で送信できる。

 この日は、NECの子会社が北九州市で製作したケーブルを大型船で千葉沖に運び、船からケーブルを海岸に引き揚げた上で、SJCの起点となる南房総市のKDDI千倉海底線中継センターにつなぐ作業を行った。

 運用開始と同時に日米間の海底光ケーブルとも接続し、最終的にはシンガポール-日本-米国の約1万6000キロが結ばれる。KDDIの湯本敏彦ネットワーク技術本部長は「国際通信の安定化に貢献したい」と話した。