関西電力や九州電力が来春からの電気料金値上げを申請し、四国、東北の両電力も年明けの申請を表明するなか、当の電力会社社員からは、なぜか早くも「値下げ」を待ち望む声が上がっている。
値上げの認可を得るためのコスト削減策として、関電は16%、九電は21%の大幅な給与カットを行う。政府や消費者の厳しい目が光る中で、将来の料金値下げこそが電力社員のフトコロを“復旧”する唯一のチャンスだというのだ。
「これだけ(給料が)下がると本当、厳しいですよ…」
値上げを申請した電力社員は、しょげた表情でこうこぼした。
値上げの申請に伴い発表したコスト削減策によると、関電は社員の平均年収を平成23年度実績から126万円減の664万円に、九電は176万円減の650万円にそれぞれ減額する方針。関電労組に対し、基本給の5%程度カットと、今夏実績で平均80万2千円だった夏の賞与ゼロなどを提示したが、ローンや子供の進学を控えた電力社員の家計にとっては、かなりの痛手だ。