日韓企業の家電格差なぜ生じた? サムスン幹部「シャープには勝ったも同然だ」 (3/4ページ)

2013.1.25 07:00

  • シャープが発表会で披露した4Kテレビ=米ラスベガス(板東和正撮影)

 「これでシャープには勝ったも同然だ」。04年にシャープが巨費を投じて亀山工場(三重県)を稼働させ、液晶テレビの生産に踏み切ったのを知ったサムスン幹部はこう述べ、笑みをみせたという。

 サムスンは液晶価格が下落することを察知し、シャープの判断が誤った過剰投資になると予測。シャープが亀山に、パナソニックがプラズマテレビへの過剰投資に傾倒する一方、サムスンは業界に先駆けてスマートフォン(高機能携帯電話)の開発を進めていた。

 「韓国企業には強力な営業力と資金によって未来のトレンドを掘り起こす力があった」。サムスン関係者はこう分析する。

 韓国企業はデジタル技術の進歩による家電の汎用(はんよう)化と通貨(ウォン)安を武器に世界を席巻してきた。

 これに対し、日本の家電各社は韓国勢をしのぐ技術力を持ちながら、それを生かすことができないという隘路(あいろ)に陥っている。高収益で業績のV字回復に結びつく新たな事業領域は見つからず、結果的に脱家電どころか、赤字を垂れ流すテレビからの脱却すらできていないのが現実だ。

「テレビ事業は捨てられない」と中途半端な姿勢浮き彫り

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。