サムスン電子の55型有機ELテレビ(試作品)【拡大】
パナソニックが、次世代テレビ技術の有力候補とされる有機EL(エレクトロルミネッセンス)の業務用ディスプレーを、平成27年にも発売する方針を固めたことが26日、分かった。
有機ELは従来の液晶テレビに比べ低消費電力・高精細なのが特長で、医療用モニターなど幅広い用途で活用が見込まれる。同社は、競合相手の少ない業務用で新たな収益源をまず確立し、消費者向けで先行する韓国メーカーに対抗する。
パナソニックは昨年6月、ソニーと有機ELパネルなどを共同開発することで合意。今年1月に米ラスベガスで開幕した世界最大規模の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で世界最大級の56型の有機ELテレビを発表し、技術力の高さをアピールした。
関係者によると、パナソニックは27年に業務用の有機ELディスプレーを市場投入する品質レベルに到達させ、姫路工場(兵庫県姫路市)で量産体制も整える見通し。消費者向けは同年以降の発売を検討する。