JR東海は8日、約6年ぶりとなる東海道新幹線の新型車両「N700A」の営業運転を開始、東京と新大阪の両駅で出発式が開かれた。真冬の早朝にもかかわらず、東京駅には新型車両をひと目見ようと約400人の鉄道ファンが駆けつけ、午前7時に最初の下り列車「のぞみ203号」が新大阪へ向け出発するのを見送った。
東京都板橋区の中学生、栗原朗(ほがら)さん(14)は「車両の大きなロゴがかっこいい。次はぜひ乗ってみたい」と興奮気味に語った。
N700Aは従来のN700をベースに安全、安定性を強化した。制動距離を約10%短縮する地震ブレーキシステムに加えて、運転席のボタンを押すと制限速度の時速270キロに近い速度を自動で維持する定速走行装置を搭載し、ダイヤの乱れを短時間で回復する。また、台車の振動を常に監視し故障を未然に防ぐセンサーを搭載。客室の静粛性も向上、照明電力を20%削減した。
こうした新開発の技術を搭載しており、JR東海の関雅樹取締役専務執行役員は「新幹線は来年で開業50年になるが、最新、最高であり続けている」とアピールした。
3月からは山陽新幹線でも直通運転する。JR東海は2014年3月までに13編成を順次投入する計画だ。主力のN700も、今年4月から3年かけて新型ブレーキや定速走行装置を追加搭載する。