日本の航空市場は昨年が「LCC元年」で、LCCの市場シェアは「3%前後」(国土交通省)。一方、シティバンクのリポートによると、アジア太平洋地域全体で、LCCが占める航空市場シェアは現状で24%。アジア太平洋の消費者は航空機の利用には「価格に敏感」(シティバンク)との見方から、今後10年間で40%前後までシェアが伸びると予測される。
それだけに、日本市場は遅れてきたLCCの「ホワイトスポット(空白域)」。他社に先駆けて新路線を就航し、市場をおさえていけば、商機は広がるとみる。日本政府も、経済成長戦略の一環で、LCC市場を2020年までにシェア25%程度に引き上げるという目標を打ち出している。
相次ぎ新路線
昨年6月にLCC事業を開始したシンガポール航空系のスクートは、LCCでは珍しく中大型機「B777」(402人乗り)を使い、同10月末から成田-シンガポール(台北経由)を1日1往復で就航。同社関係者によると、第2の日本向け路線として、早ければ年内にも関空-シンガポール(台北経由)の新路線を検討している。