経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスは22日、臨時株主総会を開き、官民ファンドの産業革新機構とトヨタ自動車など取引先8社を引受先とする1500億円の第三者割当増資を承認した。
革新機構が議決権ベースで3分の2超を出資する筆頭株主となり、官民連合による再建が本格化する。ルネサスは調達した資金を開発や設備投資などに活用するが、業績悪化の原因となった大口顧客に安価に製品を提供する“下請け体質”からの脱却が急務だ。
「調達した資金を成長投資に充て、株主価値の向上につなげる」。ルネサスの赤尾泰社長は総会でこう訴え、株主に対して増資への理解を求めた。
赤尾氏は2010年の発足以来、最終赤字が続く経営責任を取り、総会後に開いた取締役会で取締役に退き、後任社長には鶴丸哲哉取締役が昇格した。ただ、革新機構は今年9月末までにルネサスに出資し筆頭株主となった後、経営陣を刷新する方針で、鶴丸氏は暫定的なトップになる可能性もある。