普段からトイレへの不満があったというこのビルでは、暗証番号で開閉する収納ケースや化粧直しのためのパウダーコーナーなどを新設。また、肌が美しく見える照明や木目調の壁を取り入れるなど、女性好みの空間に一新した。
ビル2階の大正銀行に勤める30代の女性社員は「以前は歯磨きや化粧直しをする社員がたまり、落ち着かない雰囲気でしたが、その混雑がなくなった。照明も明るくなって気持ちよく身だしなみが整えられる」と喜ぶ。
大正銀以外のテナント企業の評判も良く、トイレの改修後、新たに数件の入居が決まるなど効果も出始めた。
バブル期に建てられた大量のビルが老朽化しつつある中、仕事とは一見、無関係と思われるトイレが企業を呼び込む改修の“切り札”となりそうだ。(田村慶子)