関電の担当者は「ずいぶん前なので詳しい由来などはわかりませんが、地元の人たちに親しみを持ってもらうため、発電所の所員や協力会社から愛称を募集して、つけられたようです」。関電が福井県で抱える大飯や美浜発電所でも、こうした愛称はなく、全国的にも珍しいという。
だが、このネーミング、なにやら安直さが漂う。1号機の「アトムくん」は原子、2号機の「ウランちゃん」は核燃料が由来であることは明白で、手塚治虫氏の名作「鉄腕アトム」を意識しているのも容易に想像がつく。
3号機の「みらいくん」、4号機の「あかりちゃん」は、明るいイメージを託したのはわかるが、インパクトに欠ける。
4基の愛称は関電のホームページで紹介されているが、一般に浸透しているのかといえば、はなはだ疑問だ。高浜原発の広報担当者ですら「知らなかった」という始末。原子力事業本部の勤務経験が長い社員も「愛称があるとは聞いていましたが、現場で使ったことはないですね」と語る。