電気代値上げに悲鳴
理由のひとつは電気料金の値上げであり、各業界とも悲鳴をあげる。製造コストの4割を電気料金が占める産業ガス業界は、関電など各社の値上げにより、業界全体で年100億円強のコスト増になる。
日本産業・医療ガス協会の豊田昌洋会長(エア・ウォーター副会長)は、コスト増による製造業の海外移転を懸念する。
その上で「可能な限り原発を再稼働させ、液化天然ガス(LNG)を安価に調達する。製造業再生の絶対条件だ」と言い切る。「中規模の総合病院では年間数千万円の負担増になった」(大阪府医療法人協会の加納繁照会長)と、命を守る現場もコストアップに悩む。
関電は大飯、高浜の両原発(ともに福井県)の再稼働に向けた安全審査を申請中。ただ、審査終了時期は見通せず、今年度中に再稼働がない場合、再値上げはほぼ確実だ。