大田区の工場が中心となり開発した初の国産そり「下町ボブスレー」1号機は昨年12月に長野で開かれた全日本選手権の女子2人乗りで実戦デビュー。コース記録にわずか0.09秒遅れの好記録で優勝を果たした。
「要求以上のものを」
予想以上の成果に手応えを感じたプロジェクトチームは今年に入り、ソチ五輪出場を目指す2号機と3号機の開発に乗り出した。
5月21日に大田区産業プラザで開かれた開発会議では、1号機の部品の図面が並べられ、集まった中小企業の関係者からは「手持ちの切削機でもこなせるかもしれない」などの前向きな発言が聞かれた。
試験片製造のムソー工業ではハンドル関連の部品の製作を手がけた。開発担当の尾針徹治さんは「部品の強度を上げるために、削り出しにするなどの工夫をした」と話す。尾針さんは1号機の部品開発にも携わったが「発注元から厳しい要求があってもそれ以上のレベルのものを作り出すことに価値がある」という。