こうした「コンフォートシューズ」は、多くのキャリア女性が徒歩帰宅を余儀なくされた東日本大震災を契機に認知度が高まった。
「牽引(けんいん)役はバブル世代」と指摘するのは、靴専門通販会社「フィットフィット」(東京都世田谷区)の担当者。「当時、日本人の足に不適だった海外高級ブランド靴を『おしゃれは忍耐』だと我慢して履き続けた現在40~50歳代の女性に、外反母趾などのトラブルが多い」と分析する。
創業3年目の同社は、需要拡大の波に乗り、昨年からは通販事業以外に店舗展開も始めた。直近では9月末に19店目を千葉県柏市に開業、向こう2年以内に40店舗体制を目指す計画だ。
快適さへのニーズの高まりをうけ、ファッション性の高さに定評がある三越伊勢丹も、中敷きやアーチを改良した独自開発のパンプスを発売。機能性のみにとどまらず、デザインの洗練度も高めて女性客をつかもうと各社がしのぎを削る。(山沢義徳)