農家は高齢化が進み、稲作農家の平均年齢は67、68歳に達する。とくに苗作りは体力的負担を強いられる。田植え時期には重量が約5キロの苗箱を、何百箱も運ぶ必要があるからだ。
こうした中、じわじわと広まりつつある鉄コーティングもみは、田植えの代わりに鉄粉をコーティングした種もみを直接まく農法。育苗作業を軽減し、コスト削減につながるほか、鉄粉がおもりとなって、水を張ったときに流されにくくなる。宮城県農業高校では、この農法を使って被災農家の農業再生を支援している。この農法による2013年の作付面積は8000ヘクタール強とみられ、12年に比べ約5割増となった。本格普及はこれからだが、廣兼以斉・アグリソリューション推進部ソリューション推進グループ長は「高齢者からのニーズにうまくはまる形で伸びている」と期待を込める。(伊藤俊祐)