「魚の骨をピンセットで取れば、食材にダメージを与えておいしくなくなる」(太田氏)。そこで、中骨を取り除いたサバを圧力釜で加熱する製造工程で、骨をやわらかくしながらも身のふっくらとした食感を残すための適切な加熱時間と温度を見つけ出して商品化にこぎ着けた。
きんぴらも、高齢者がゴボウとニンジンをかみ切れるように軟らかくした。色の淡いしょうゆを使うことで、素材本来の彩りも生かした。さらに高野豆腐だけ別工程にして、他の素材より少し濃いめのしょうゆで味付け。高野豆腐に含ませたかつお昆布だしなどの上品な味が、食べたときにアクセントとなって口の中に広がるようにした。
「母親の味」を味わえる新たなライスバーガーは、食生活が多様化する中で、改めて日本食のおいしさを伝えることができるかもしれない。(鈴木正行)
モスライスバーガー バンズ(パン)の代わりにご飯を焼き固めたライスプレートを使い、総菜をはさんだ商品。日本生まれのハンバーガー専門店「モスバーガー」を展開するモスフードサービスが昭和62年12月、国産米の消費拡大を目指して発売した。現在まで約40商品のライスバーガーを販売している。子供向けメニューとして、卵や小麦などを原材料に使用しない低アレルゲン商品「モスライスバーガー〈ポーク〉」(210円)がある。