--非常に実用性の高いロボットのように思える
古田 私たちはロボットを作り出すことが目的ではなく、作ったロボットが現場で役立つことが重要なのだと考えた。世の中で役立たないと意味がないという考えだ。だから現場の方々の声を吸い上げ、どうすれば使いやすいかを常に念頭に置いて開発を進めた。新規にチームを組んで開発に乗り出そうという際にも、東京電力福島第1原発事故の収束に、どうすれば貢献できるかを最大のテーマに掲げた。結果がすべてという決意のもとに検討を重ね、必ず役に立つことができるという確信を得たので開発に着手した。人々の役に立つ技術を生み出して育み、良い結果を導き出したい、そういう思いが私たちの原動力だった。
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【プロフィル】古田貴之
ふるた・たかゆき 工学博士。青山学院大学理工学部卒。同大大学院、同大理工学部助手、ERATOプロジェクトグループリーダーなどを経て平成15年6月から千葉工業大学未来ロボット技術研究センター所長。著書に『不可能は、可能になる』(PHP研究所)。東京都出身。45歳。