そう話すのはオンワード樫山の婦人向けアパレル旗艦店「23区 GINZA」のファッションスタイリスト、秦さくらさん。例年は4万円台がコートの売れ筋価格帯だが、今年は「6万円以上」という。
日本百貨店協会が発表した9月の全国百貨店売上高で、衣料は前年同月比3.2%増と2カ月連続でプラスと好調に推移。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による円安・株高効果を背景に、アパレルの商品単価も上向き傾向にある。
この勢いをそのままに、秋冬商戦では大規模な駆け込み需要を想定し、同社は例年より高単価商品を積極的に売り出す。
「ナイロン系ダウンコートの流行が一巡したので、今年はより上質で単価の高いウールコートが売れると判断した」と秦さん。この戦略が奏功し、6万円以上の高額コートの売り上げが前年同月比で約1.5倍に膨らんだ。「駆け込み需要は始まっている」と秦さんは断言する。