シャープ「けったいな文化」変わるか 社長も本気の「さん付け運動」 (5/5ページ)

2013.12.4 06:00

シャープの企業風土改革に本気の高橋興三社長(左下)。創業者の早川徳次氏(右上)の時代の原点回帰を目指している。

シャープの企業風土改革に本気の高橋興三社長(左下)。創業者の早川徳次氏(右上)の時代の原点回帰を目指している。【拡大】

 原点回帰

 「けったいな文化」は、取引先での評判を落としてきた面もあるといわれる。関係者によると、部材の納入業者に価格面などで厳しく当たる“下請けいじめ”などが目立ったとされる。堺工場をめぐっては、ソニーから34%(1千億円超)の出資を受け入れる計画が破談になったが、背景にはソニーへの納入遅延が起きたときに「シャープは自社向けを優先した」との噂が上がり、信頼関係を築くことができなかったことがあるとされる。

 関係者は「それもこれも現場の担当者が上司の『コストを下げろ』『液晶を確保しろ』の指示を疑問を持たずに従った結果。取引先と交渉する担当者が自分の判断に自信を持って仕事をし、場合によっては上司にも意見できる風土があれば防げた」と話す。

 その意味ではシャープの企業風土改革は「株主、取引先をはじめ、全ての協力との相互繁栄を期す」とした創業者の早川徳次氏の経営理念への原点回帰でもある。かえる運動には「変える」とともに「帰る」の意味があるのだ。

 企業風土改革について、高橋社長は「まだまだ難しい。あと5年くらいはかかる」と話す。いま時間をみつけては全国の事業所を回り、「高橋さん」として社員らと食事しながら議論を続けているが、「けったいな文化」がなくなったときこそが、新生シャープの誕生の瞬間かもしれない。

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