【開発物語】テクノス「CSM工法」 4つの回転カッターで地盤を掘削 (5/7ページ)

2013.12.23 05:00

テクノスがCSM工法で手がけた工事の中で最も規模が大きく難度が高かった、首都高速中央環状新宿線で既存の地下トンネルを拡幅する工事の様子

テクノスがCSM工法で手がけた工事の中で最も規模が大きく難度が高かった、首都高速中央環状新宿線で既存の地下トンネルを拡幅する工事の様子【拡大】

  • テクノスが本社や工場を構える愛知県豊川市の拠点
  • テクノスでCSM工法に携わるメンバー。クアトロカッターの前で、左から阿部さん、関口さん、石川さん、中庭さん
  • 回転カッターが激しく回り、小さな煙を立てながら地盤を掘り進んでいく

 CSM工法は導入当初こそ機械トラブルに見舞われることがあったが、工事の回数をこなすにつれて改良が進み、最近は工事を発注してくる元請けからの評判も上々だ。テクノスのメンバーは自信をつけつつある。

 年明けには、相鉄線と東急線の相互直通運転で新設される新横浜駅(仮称)の地中連続壁の工事が控える。石川さんは「CSM工法はテクノスでもメーンの仕事になった。技術面でも機械に関しても、ウチでなければできないとの意識で取り組みたい」と一段の成長に意欲的だ。

                   ◇

 ■新鉄道路線構想が追い風、新たな商機に

 ≪MARKET≫

 テクノスによると、地中連続壁を造成できる国内の建設関連企業は現在10社程度で、20社以上あったピーク時から大きく減った。地中連続壁を必要とする地下鉄や高速道路の地下部分などの大型工事案件が10年ほど前から減っていった影響で、撤退する企業が相次いだためだ。

 だが、2011年3月に起きた東日本大震災を契機に風向きが変わりつつある。地下空間での地中連続壁の優れた耐震性が見直されていることなどが背景にあり、「業界全体で見ても地中連続壁の工事案件は少しずつ増えつつある」とテクノスの阿部孝敏基礎事業部長は説明する。

 今後も、地中連続壁をめぐっては注目ポイントがいくつかある。14年度にも着工するリニア中央新幹線の駅工事に加え、20年の東京五輪開催に向けて首都圏の高速道路ネットワークの整備が加速する見通しで、活躍の場が増えていく可能性がある。

 さらに、東京都心と首都圏の羽田、成田両空港とのアクセス改善を目的とした鉄道の新路線「都心直結線」の整備構想も追い風だ。都心部での大深度地下を利用し、京成電鉄の押上駅付近と京浜急行電鉄の泉岳寺駅付近を結ぶ約11キロの新路線。現在の東京駅近くの地下に「新東京駅」が新設されるとみられており、新たな商機となりそうだ。

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