東京電力に資金援助している原子力損害賠償支援機構は25日、最高意思決定機関である運営委員会を開き、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働方針を明記した東電の新しい総合特別事業計画(再建計画)を大筋で了承した。東電と機構は27日、政府に再建計画を提出。政府の認定は来年1月になる見通しだ。
東電の下河辺和彦会長は同委員会の席上、「新計画の認定を受けたら経営改革、福島の復興に全力で取り組みたい」と抱負を述べた。
政府が20日に決定した福島第1原発事故の復興指針に基づき、除染、賠償、中間貯蔵施設の費用のため、政府が機構を通じて貸し付ける交付国債の無利子融資枠が5兆円から9兆円に拡大される。
同委員会終了後、原田明夫委員長は記者団に「国が前面に立つ姿勢を示したのは大きな進展だ」と語った。東電の広瀬直己社長は「国が一歩前に出てくれるのだから、当社も三歩、四歩前に出ないといけない」と改革に意欲を示した。
新計画は、原子力規制委員会が安全審査を行っている柏崎刈羽原発6、7号機が来年7月に再稼働することを前提に、2014年度は1000億円超の経常利益を見込む。一方、10ある支店をすべて廃止し、1000人規模の希望退職者を募集するなどリストラも徹底する。