【回顧 関西経済2013(4)】
「再稼働の時期さえ見通すことができれば」
国内で唯一稼働していた関西電力大飯原子力発電所(福井県)の3、4号機が定期検査のため停止し「原発ゼロ」になった9月以降、関電幹部のこのフレーズを繰り返し耳にした。
関電は今春、原発の長期停止によるコスト増を理由に電気料金を家庭用で平均9・75%、企業など大口向けで同17・26%、それぞれ値上げ。「景気回復の足かせになる」との声が関電に重くのしかかった。
関電は大飯原発と高浜原発(同)を再稼働させるため、安全審査を原子力規制委員会に申請している。だが作業は遅々として進まず、規制委と関電を含む電力会社の間からは不協和音が聞こえてくる。
規制委は、審査会合で関電の示した資料や見解の一部を批判、否定しては、突き返す。関電の八木誠社長は記者会見などで「できるだけ効率的な審査をしてほしい」と訴えた。