第一生命保険の子会社、第一生命ベトナムは、シンガポールの保険専門誌が主催するアジア保険業界最大のコンテストで、優れたCSR(企業の社会的責任)活動を対象にした賞を受賞した。評価されたのは、紫外線殺菌機能を備えた水の濾過(ろか)装置への寄付活動だ。
ベトナムでは水質汚染問題が深刻化。病気の大部分が汚染水からもたらされており、結果として医療費高騰につながっているといわれる。また、農村部では安全な水を確保することが難しいことから、半数以上の学校では生徒が飲み水を確保できていない。
第一生命のCSR活動は、こうした実態を踏まえたもの。具体的には米国のNGO(非政府組織)団体を通じ、小学校24校に対し寄付を行った。紫外線の殺菌装置は短い処理時間で安全性を確保できる点が売り物。これと並行して、第一生命ベトナムの約250人のスタッフ・個人代理人が清潔な水の大切さを中心に環境教育に取り組んだことも評価された。
ベトナムの保険市場は未成熟で、ごくわずかな金持ちしか保険を契約していない。だが、経済発展に伴って一大市場に発展することが見込まれ、保険会社による環境対策を中心としたCSR活動も活発化することが予想される。グループ経営本部兼国際業務部の山谷秋晴マネジャーは「24校は全体からすればまだまだわずか。今後も拡大していきたい」と意欲を示した。