1日に汚染水400トン
大量にあふれ出す水との格闘も続く。
炉心を冷やす冷却水、建屋に流れ込む地下水-。毎日発生する400トンもの汚染水の処理方法は定まっておらず、「容量1000トンの貯水タンクを2日半に1個作らないと間に合わない」(同原発の小野明所長)。このため、原子炉建屋の山側では、空き地を埋め尽くすように高さ10メートルほどの円筒形タンクが林立、現在は約1000基に達した。東電は、タンクを増設し、総容量を現在の43万トンから2015年度中に80万トンまで引き上げるが、いたちごっこの感は否めない。
原子炉建屋への地下水流入を減らすため、山側で地下水をくみ上げる取り組みも始まったが、海洋に放出することに地元漁協が難色を示し、汚染水はたまる一方だ。
15日に政府に認定された東電の総合特別事業計画(再建計画)では廃炉・汚染水対策の強化を明文化したが、全工程が完了するのは30~40年後。廃炉に向けた長く険しい道のりは始まったばかりだ。(藤原章裕)