輸出と海外進出という2つの攻め方、そして需要家のニーズに合わせた守り方という「3本の矢」をそろえることが、農業のグローバル化の流れを成長のチャンスに変える鍵といえる。
■海外進出リスク
農業の海外進出では「技術流出リスク」「商標リスク」「法制度リスク」などが懸念される。過去にはブランド種子の無断持ち出し、栽培装置の違法な模倣などの技術リスクが問題となった。また、「青森りんご」や「さぬきうどん」といった日本固有の農産物・食品を、関係のない現地企業が勝手に商標登録した事例も存在する。現地での知的財産登録、技術のブラックボックス化、適切なパートナー選定など、多面的なリスク低減が求められる。
■三輪 泰史氏(みわ・やすふみ)
創発戦略センター主任研究員。東大大学院農学生命科学研究科農学国際専攻修了。2004年、日本総合研究所入社、10年から現職。農産物のブランド化に関するベンチャー企業の立ち上げに参画。34歳。広島県出身。