大会では、研究者ら5人が発表を行った。法政大大学院生の山田一人さんは、「アキバツーリズムの両義性」と題した発表で、ここ20年ほどの間に電気街から“オタクの聖地”に変貌を遂げた東京・秋葉原(アキバ)について、これまでの経済学や都市工学に基づく研究が、ネットなどで形成された秋葉原の「虚構空間」の側面を取りこぼしてきたと指摘。ネット上でのゲームやアイドルのファン同士による情報交換を通じ、自然に交流場所を秋葉原に生じさせた例などを挙げ、情報空間が現実に作用して「聖地」が形成されるあり方を社会学的観点から示した。