今後のコンテンツツーリズムは、どのような方向に動いていくのだろうか。増淵教授は「現在は各地域がアニメなど既存のコンテンツを利用する場合が多いが、権利関係などさまざまな制約も大きい。次第に各地域が自分たちで使いよいコンテンツを作るようになるのでは」と、中央のコンテンツホルダーに頼らない地方発の動きが増えることを予想する。「ある意味、その典型例がゆるキャラかもしれない」
これまでどちらかといえばファン主導で動いてきた「聖地巡礼」ブームに対し、そうした仕掛けがどのくらいの効果を上げるのか。今後の研究の進展が注目される。
【用語解説】聖地巡礼
アニメやマンガの舞台を探訪する「聖地巡礼」がメディアで大きく取り上げられるようになったのは、平成19年放映のアニメ「らき☆すた」に登場する神社のモデルとなった鷲宮神社を持つ埼玉県鷲宮町(現久喜市)の成功がきっかけとされる。同神社の初詣客は、19年の13万人に対し、放映直後の20年に30万人、今年は47万人と大幅に増加した。以後、聖地巡礼をまちおこしに活用しようとする動きが全国で盛んになっている。