中国で製造された模倣品は中国市場だけでなく、世界各地で売られ、本家のブランドをしのぐ勢いをみせることがある。日本家電メーカーの技術をまねたエアコンが中国や欧米だけでなく、オリジナル商品が売られていないアフリカまで輸出されている。
パナソニックによると、23(2011)年度に同社が模倣品の対策に乗り出した件数は456件で、そのうちの約7割を中国が占める。被害品は乾電池や固定電話、洗濯機など多岐にわたっているという。
知的所有権の侵害は、商標権や意匠権だけでなく、パナソニックや松下を使った社名を無断で登記する商号にまで及ぶ。
松下電器(上海)科技有限公司というパナソニックと無関係の会社は、本家を意識した「Pascmio」ブランドで洗濯機を販売。松下電子(香港)有限公司という模倣業者も、遠目には「Panasonic」に見える「Pariascriio」ブランドを展開している。
社名に松下やパナソニックを使った模倣業者は、ブランドは少し変えることで「不正はしていない」と強弁するという。